こんにちは。松原です。
今日は個人的なお話です。


私が「ねこてっくす」を立ち上げたのは、2011年8月です。
3月に東日本大震災があって、故郷の仙台が大きな被害を受けました。
実家や友人たちが被災し、親戚が津波の犠牲となりました。
 
当時兵庫県にいた私は、家族や友人たちから伝わって来る被災地の様子と、
自分が居る場所のあまりのギャップに耐えられず、頭がおかしくなりそうでした。
  
そして、たくさんの人が被災地に赴き、救助活動を行っているのに、
私は何をすることもできない、誰ひとり、自分の家族さえも助けることができないと
自分の無力さを感じていました。
 
なぜ自分だけが、平和な地域で日常を過ごしているのか、 
私はいったいここでなにをやっているのか、 
なんで私だけここでのうのうと生きているのか、 
毎日毎日、罪悪感でいっぱいでした。

自分は何の為に生きているんだろう、自分にできることは何なんだろう、
眠れずにずっと考え続けていました。
 
やがて出た結論は、
自分の持っている時間を無駄にしてはいけない、ということ。
 
自分が少しでも誰かの役に立つ可能性があるのならば、
後ろ向きに考えている暇はない、
とにかく今すぐ「自分にできることをやるべきだ」ということでした。
 
そうして、動物たちや飼い主さんを助けたい、
私自身も「家族で仙台に帰りたい」という想いが強くなり、
起業準備を始めたのです。

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起業当時、「迷子ペットのチラシ制作」事業というのはまだ日本に存在しておらず、
私の事業は「困っている飼い主につけこむ事業だ」とか、
「困ってる飼い主ならいくらでも払うと思ってるんでしょ」とか
言われていました。。
 
事実、動物愛護のお仕事というのは、団体やNPO 法人、ボランティアで
成り立っていることが多く、
日本では、「社会貢献的な事業でお金を儲けることはいけないことだ」という見方も
根強く残っています。
 
しかし6年目に入った今では、とてもありがたいことに、
多くの方がこの事業を"猫助け屋"として認識してくださり、
応援してくださっています。

本当にありがとうございます。
 
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起業当時、私はデザインすらしたことがありませんでしたので、
すべての勉強を一からはじめました。
サイトをつくるための、ウェブデザインとサイト構築を勉強し
同時に、商品をつくるための、グラフィックデザインとDTPを勉強し
それらをつくるため、アドビのソフトを購入して、操作を一から覚えました。
 
実質2ヶ月で勉強して、その後は開店してから、
実際にネットショップを運営しながら必要な部分をそのつど学んでいきました。 

やがて、この仕事には飼い主さんの心のケアが重要だということに気がついて、 
心理学を学んだり、ペットロス専門の先生にコンタクトをとって勉強をしました。


さて、今考えると本当に嘘みたいな話ですが、起業当初、
私はお客さまに、印刷用紙代とインク代と送料しか請求していませんでした。
 
「デザインは原価がかかっていないから請求しにくい」し、
「人を助けているんだから、多少赤字でもいいかな」と、思っていました。
 (今思うと、これは完全に逃げです..^^;)
 
そして、365日朝から晩まで休むことなく(ぎっくり腰になっても!)
仕事をしていました。
でも、当然ですが売れれば売れるほど赤字です。
4つの銀行口座は次々にゼロになり、そのうち借金生活が始まりました。
 
それなのに、飼い主さんからお金を奪っている気がしていました。

「生活するためには稼がなければいけないのに」という葛藤もあり、
心身ともにどんどん苦しくなっていきました。
 
当時は商品が届いても(猫がみつかっても) お金を払ってくれない方は多かったし、
(※後払いにしてました)
「そんなに安いわけないでしょ! あとからいったいどれだけぼったくるつもりなの!」
と電話がかかってきたこともありました。(笑)
今思い出すとびっくりな、過剰な要求をされる方も本当に多かったです。

苦労話はもういいですね、(笑) 
今では、それらは全部自分が招いたことだとわかります。 
当時の私には必要なことでした。 
 

そして「人を助けたい」「動物を助けたい」と言っていたけど、
気がつけば、この事業に救われたのは、私自身でした。
助けてほしかったのは誰よりも「私」だったことに気がつきました。
 
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そして4年後、奇跡が起きて、念願の仙台へ引っ越しをすることになりました。 

震災の影響もあって、物件がほとんどない中(ペット可は皆無でした)
1件だけヒットしたのが今の家です。 

仙台で生活していく中で、たくさんの人と出会い、助けてもらい、
いろいろなことを学びました。

そして私はようやく、私自身が幸せでいることがなによりも大事なことなんだと
気がつきました。
 
自分が満たされて幸せでいられるから、自然と誰かに貢献ができるのであり、
自分自身が日々穏やかな気持ちでいるから、愛を持って人にも優しくできる。

自分が強くないと、人を癒すことはできません。
私は起業当初、自分自身が不安定なまま人を助けようとして、
どんどん苦しくなっていきました。

だからもし同じように苦しんでいる方がいたら、
まずはご自身を幸せにしませんかと言って回りたいです。
あなたの大切な人のためにも。


今まで、
ほんとうに猫の役にたっているのだろうか、
ほんとうに飼い主さんのためになることなんだろうか、
何度も何度も立ち止まりました。
 
でもここまで続けてこれたのは、
なによりも必死にがんばっている飼い主さん、
いつも応援してくださるツイッターのフォロワーさん、
そしていつも近くで見守っていてくれている方々、
みなさんのおかげです。

今年、私は決断したことがあります。
またご報告しますが、
まずはみなさまにお礼を伝えておきたかったので、
6年間のこと、書き残しておくことにしました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!(^^)


松原